話題の映画『カメラを止めるな!』を去年の8月に見ました。
素晴らしい映画でした。
まだ見ていない人は何も見ずに何も調べずに見に行ってほしい映画です。
公式ホームページ、広告、ポスターなどすべて見てはいけません。
ネタバレだめです。
これは感想を書かなければ!と思い書いてます。
見る前に知っておくといい情報は
・公式ページもPVもポスターも見ないでください。
・カメラ酔いになる可能性があるので注意してください。
・ゾンビが出てきます。
以上です。
見ていない人には何も言えないのです。
面白いので見てください。
さて、 ネタバレ感想書きます。
ちなみに、映画を見ている事を前提で書くため、映画見ていないと訳がわからないかもしれません。
映画を見ていない人は続きを見ないでください!
ヤラレタ!!!
これは悔しい。
最高かよ!!!
熱々すぎる!
自分が映画を見たのは8月中旬でしたが、その時に知っていた情報は
・ネットで話題
・ワンカットが見せ場
・300万円で作った
・有名な俳優さん、女優さんはでていない
・ネタバレ注意
・ホラーコメディ
くらいです。
そこまでで情報を止めていて本当に正解でした。
いや、ホラーコメディも知らない方がよかったかもしれないです。
この映画を他人に勧めまくってますが、『ゾンビが出てくる』とは言いますが『ホラー映画』とは言わないようにしてます。
映画を観た方ならわかると思いますが、これはホラー映画なのかと言われるとわからないです。
いや、正直違うと思うのです。
ワンカット部分ではホラーというか恐怖は感じました。
ホラーはどちらかというと苦手です。
そんな自分でも『ちょっと怖いって感じる人もいるだろうなー』ってくらいの感想でした。
ゾンビ映画を撮っていたら本当のゾンビに襲われる系の映画かぁ、って考えてました。
『ポンっ』が出たところでは、これが終盤までコメディにつながるんだろうなとかは思いました。
他はどうなのかと言われると
『間をもたせるの無理しすぎじゃない?300万円で映画作ってるし準備が間に合ってなくてしかたないのかな?』
『このシーンいる?』
『ホットパンツかわいい。』
『このやり取りいらんやろー』
『「こんなところにオノが、ツイてるわ」つて、何やねんその説明セリフ』
『ホットパンツかわいい。』
『ネットで評判いいのにワンカット部分ツマンネー』
『40分つまらなかったのにこの後で挽回できるの?』
『ホットパンツかわいい。』
そんなこと考えてました。
ワンカット部分の エンディングが終わって本編開始。
1ヶ月前のプロデューサーからの依頼のシーンで ネタバレできないと言っていた意味が分かりました。
これは『ゾンビ映画を撮ろうとしたらゾンビに襲われる』映画じゃなくて、『「ゾンビ映画を撮ろうとしていたらゾンビに襲われる」映像を撮影したスタッフのドタバタ劇』!
その構造に気づいた瞬間にワクワクが止まらなくなりました。
出てくる人がみんな面白い。
本当にあってもおかしくない設定。
それもそのはず、監督が当て書きして台本作ったらしいので、役にピッタリなのです。
特に監督役の濱津さん好きですね。
困り顔がすごくいい!
映画の中盤で撮影の最初のシーンの女優と俳優にキレるシーンで爆笑しました。
あそこから今までの謎なシーンが爽快感に変わっていく感じがします。
監督の妻役のしゅはまさんが途中から暴走し始めるのもとても好き。
血だらけになりながらも迫力のある演技がたまらない。
この作品は映画に対する愛が伝わってくるんですよ。
他の作品に愛がないのかと言われるとそういうわけではないんですが、この映画は映画への愛の伝わり方が異常です。
それはお金を掛けずにアイデアと工夫で作られた作品だからこそできたと思います。
ほぼCGを使うこともなく、爆破シーンも無いし、大勢の人が出てくるシーンも無い。
お金のかかるド派手なシーンで映像を盛り上げることが出来ない。
そんな状況をもろともせずに無理のない脚本で困難を乗り越えているのがすごいです。
人数があまり多くなかったからこそ、メインキャストをより掘り下げた作りになっていて、それぞれ見せ場があるのがいいですね。
なんか映画でメインキャストとして紹介されてるのに一瞬しか出ないパターンとかあるじゃないですか。
ああいうのよりしっかりキャストにスポットライトがあたっている作品構成が素晴らしいてす。
カメ止めのイベントは何度か行かせていただきました。
監督の娘役の真魚さんが、ワンカットシーンの撮影中どこにいたのかという裏話をしてくださったのですが、撮影現場の近くにいて、血糊の掃除の手伝いをしていたとのことでした。
そういうの普通の映画やドラマならスタッフさんがやるんでしょうけど、メインキャストまで手伝ってたんですね。
いや、みんなで協力して1つの作品を作り上げた良さが凄いです。
組体操するシーンは本番まで上手く出来なくて、本番でやっと成功したそうです。
ここはフィクションではなくドキュメンタリー。
お団子AD役の人が本当はピラミッド作るはずだったのに、男性若手俳優がピラミッドをすることになったのも撮影の前日にAD役の人が支えきれなくて急遽変更したと事です。
その入れ替えは偶然なんでしょうけど、そのおかげで感動的なシーンになったと思います。
他にも色々な偶然が入り込んでいる映画でそれがいい方向に倒れている。
そういう良さもありますね。
エンディングのスタッフロール。
ワンカット撮影のホントの舞台裏映像。
コレが本当の見どころなんじゃないかと思います。
コップの水を2杯飲むシーンがとても印象的でした。
この映画は梅田のTOHOシネマズの1番スクリーンで見ました。
収容人数737人が満席でした。
映画中盤以降からみんなで笑う!笑う!笑う!
爆笑でした。
別に監督さんやキャストが舞台挨拶するわけでもないのに映画が終わった瞬間に拍手が起こりました。
こんなに多くの人と声を出して笑って思いを共有できた映画をほかに知りません。
この映画でしか味わえない体験でした。
正直、ここまで映画の力を感じる作品は出会ったことがないです。
素晴らしい体験でした。
これを学生時代に見ていたら、映画の道に進んだかもしれないと思えるレベルでした。
序盤に感じる違和感と後半からの伏線回収が見事です。
この映画ほど最初と最後の感想が変わる映画はないですね。
2度目に映画を見たときは最初から面白くてしかたなかったです。
ただ、2度目以降は所見の人の顔を見ちゃうんですよね。
この人が最後にどんな顔になるかなとか考えるだけで楽しい。
そして、見終わったらこの映画について語りたい!
そういう感情になります。
DVD/BDが出ていますので、ぜひ見てください!