ゲームプログラマー暇人日記

プロのゲームプログラマーが技術的な事から、そうじゃないことまで書いていきたいと思います。

ゲーム紹介(5)『Rez Infinite』

皆さん、PS VRは購入されたでしょうか。

自分は発売日にゲットし、いろんなコンテンツをプレイしました。

 

自分の想像を軽々と超えたゲームが『Rez Infinite』です。

PVをどうぞ。

軽くゲーム内容を書いておくと、このゲームはレールシューターです。

それと同時に音楽を楽しむゲームでもあり、エフェクトを楽しむゲームでもあります。

というより、全てが合わさった一種の芸術を楽しむゲームだと思っています。

 ゲーム的なレビューはIGNさんがいい感じにまとめられていたので、こっち参照で。

 

1〜5のステージもおもしろいのですが、PS VRの真の能力が発揮されるのはArea Xです。

無数のパーティクルの中を自由に移動できる。

本当にゲームの中を移動している感覚が堪らなかったです。

Area Xをはじめた瞬間に「これはヤバイ!」と独り言を言っちゃったくらいです。

今までPS VR以外にもOculus RiftやHTC Viveで色々なVRゲーム体験をしてきましたが、その中でも最高クラスの衝撃を受けました。

Rez InfiniteはPS4だけでもできますが、VRでの体験をオススメします!

特に初プレイ時の衝撃が凄いので、ネタバレ動画とかも一切見ずプレイしてほしいです。

 

ちょっと要望するのであれば、Area Xのステージがもう何ステージか欲しかったですね。

20分くらいの体験しかないのが物足りないし、もったいないです。

1時間半くらいのボリュームが欲しかったなー。

もっとRezの世界に浸っていたかった。

 


 

さて、ゲームプログラマー目線なお話をしましょう。

自分は3年ほど前から個人でもVRアプリ開発や情報収集を行っています。

 

VRの原則として、VR酔いを引き起こす原因はベクションだと言われています。

現実には自分は動いていないのに、VR空間内では移動しており、それが体験者にとっては不自然に感じる→VR酔いにつながると考えられています。

mogura VRさんでVR酔いの対策まとめ記事がありますので、詳しく知りたい方はこちらを参考にしてください。

上記の記事でVR酔いを起こさない1番簡単な方法は『移動しないこと』と紹介されています。

『サマーレッスン』とかは『移動しない』という選択を行うことで『VR酔い』を起こさないようにしていますね。

今回紹介している『Rez Infinite』のArea Xでは3人称視点という方法で酔いの軽減を行っていました。

ですが、『Lucky's Tale』や『Edge of Nowhere』と違い『Rez Infinite』のArea Xでは宇宙空間(?)なので上下にも自由に動けます。

それなのに酔わないというのは新しい知見でした。

むしろ地上がある3人称視点よりも、移動が妨げられる心配がない宇宙空間にして自由に動かした方が酔わないというのは初めて気づきました。

背景オブジェクトもすべてパーティクルで作成され、背景の中に入り込めるようにすることでどこでも自由移動を可能にしています。

また、Area Xでは自由移動させながらも画面の上下は固定されていました(プレイヤーが上下さかさまになったりしない)。

こういうテクニックが酔いを抑えるテクニックになるのかなと思います。

いやー、凄い。

 

今まで

『VRではVR酔いの対策を1番に考えよう!』

『VR酔いを引き起こす原因はベクション!移動しないゲームデザインにするのが1番良い』

って考えていました。

今回Rez InfiniteのArea Xをプレイしたことで、

『VRではVR酔いの対策を1番に考えよう!』

『VR酔いを引き起こす原因はベクション!だが、キチンと対策すれば移動するVRゲームも作れる』

『VRゲーム内で移動できると体験の幅がメッチャ広がる!!!』

と感じました。

VRゲームを作る方にはぜひ体験してもらいたいコンテンツだと思います。

そして、このレベルのゲームが色んな所から発売される事を祈っています。

 

と書きつつ、このゲーム実際に作るのはどうやったんだろう???って思っちゃいますね。

ディレクターの指示はどんな感じで、プログラマーはどうやって具現化していったのか気になるところです。

口で伝えるのには限界がありそうなので、このゲームが作られたのは本当に凄いです。

 


 

追伸

実はRezは昔から好きで、PS2版のRezに水口さんにサインしていただいたほどです。

ありがとうございました!

 Rez Infiniteも楽しませて頂きました。

 これからも応援していますので、また新たな感動を貰えるゲームを期待しています!