ゲームプログラマー暇人日記

プロのゲームプログラマーが技術的な事から、そうじゃないことまで書いていきたいと思います。

ゲーム紹介(6)『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』

ゲーム紹介第6弾。

まずはPVをどうぞ。

 

このゲームをクリアしてから、いつかブログで書かなければいけないと思っていたゲームです。

2017年で間違いなく1番面白かった。

いや、今までプレイした数百本のゲームの中でも1番面白かったと言っても過言ではない面白さでした。

ぜひプレイしていただきたい1本です!

 

知らない世界に行ってみるのってこんなに面白かったのか!

って再認識させられるゲームでした。

  • 目の前に崖がある。
  • 崖を登るのは大変そうだから、迂回する。
  • 迂回すると祠が見つかる。
  • 祠に近づいてみると、塔が見える。
  • 塔を登ってみると村が見える。
  • 村に着くと、村の上の方に滝がある。
  • 滝の方に行ってみると……。

という感じでもう、気になるところに行き続けてしまうゲームでした。

ホントにこのゲームの世界の中で歩いていました。

それが楽しすぎました。

例えるなら、旅行で知らないところに行って気になるところに向かって歩き続けてたら、気になったところに着いた時に絶対に面白いことが起こる感じです。

オープンワールド(オープンエアー)ってスゲェ、任天堂ってやっぱりスゲェと思わされました。

 

CEDECの公演であった『フィールド三角形の法則』をそのまま受けて、衝撃が走りました。

リンクを紹介しておきます。

クリエイターなら読むべきです。(できればクリア後に読むことをおすすめします。)

 

今作のゼルダでは、ほぼすべての壁を登る事ができるというのが特に衝撃的でした。

スタミナ切れで登れないということはあるのですが、基本的にどんな壁も登れます。

ゲームでよくある透明な壁を感じる事が無かったです。

透明な壁は『あー、やっぱりゲームだよなぁ』って認識させられるのですが、そういうゲームならではの仕方なかったルールがなくなったことによって、よりゼルダの世界に入り込めたのだと思います。

 

ゼルダは発売日に買っていたのですが発売された頃は別のゲームをプレイしていたため、ちょっと遅れてゴールデンウィーク頃にゼルダをプレイしました。

ゴールデンウィークは実家に帰っていたのですが、実家のリビングでずっとやってました。

1日10時間くらいやってたので、ほんとに実家に帰った意味あったのかな?って思うくらいです(笑)。

親はゲームに興味が無い方なのですが、ゼルダの画面を楽しそうに見ていて、祠の攻略では『こうやったらできるんじゃない?』とか言ってきました。

その時、『ゲームに興味がない人に興味を持たせるなんて凄い』と感じてしまいました。

そして、大阪に戻る電車の中で風景を見て、『あ、この崖はリンクなら登れそう』とか思ってしまっていました。

ほんとにゼルダの事ばかり考えている時期でした。

 

ゼルダの当たり前を見直す』

今作で言われていた言葉です。

そのため、過去作にあった瓶とかフックショットとか長いダンジョンとかなくなってますね。

素晴らしい判断です。

今までのゼルダも何本かやっていますが、長いダンジョンが長すぎてダレてしまった物があります。

時のオカリナとか、もう何年も積みゲー状態です。

今作は面白すぎて全く積む事なく一気にクリアしてしまいました。

面白さの本質は長いダンジョンをクリアすることではないと思わされました。

 

今作は敵の数が少ないです。

他にも減っているモノが色々あり、種類が少ないなと感じるところがありました。

が、ボリュームはものすごくあります。

これは数が減ったのではなく、最終的にできる事が増えた結果だと思います。

どういうことかというと、オブジェクトの種類としての数は減っているのですが、影響を与える相互関係が増えているということです。

  • 木を剣で攻撃すれば木が倒れ、それを足場にして渡れます。
  • 倒れた木を攻撃すれば薪が出来ます。
  • 薪の近くに火打ち石を置き、攻撃すれば火が付きます。
  • 薪に向かって炎の矢を撃っても火が付きます。
  • 火に向かってアクションを起こせば時間を進める事ができます。
  • 火の近くにリンゴを置けば焼きリンゴが出来ます。
  • 火の上には上昇気流が生まれていて、パラセールで上昇出来ます。

それぞれのオブジェクトは1つの役目を持っているのではなく、他のオブジェクトと組み合わせて使うことで色々な使い方ができる。

これがボリュームがものすごくあると感じている大きな理由です。

引き算はしたけど、残っているもので掛け算しているため、ボリュームとしては増えている。

そういう仕組みになっているからこそ、『こうしてみたらどうなるんだろう?』という疑問が産まれ、実際にやってみたら期待通りor期待以上の結果が返ってきた時に『面白い!だったらこれはどうなるんだろう?』という感情が産まれるのだと思います。

それが連鎖的に起こることで連続して面白さを感じ続ける事ができる。

すごいゲームです。

 

不満点はハッキリ言ってあります。

1番思ったのは操作がしにくいです。

XボタンでジャンプでBボタンでダッシュって、結構特殊だと思うんです。

他のゲームには無い操作性。

ボタン間違いで死んでしまう事も結構ありました。

不満です。

が、そんな不満を軽く上回る面白さと満足度でした。

そもそも自分が加点でゲームを考えていて、減点でゲームを考えないというのがあるかもしれません。

 

今回書いたのは自分が面白いと感じたところのごく一部であって、全てではありません。

というか、全ては書ききれないレベルです。 

オープンワールドのゲームの基準がこのゼルダになると、次のゲームはかなり厳しいなと思ってしまうレベルで面白かったです。

この面白さを越えるゲームはあと数年は出ないと思いますね。。。

このゲームを参考に、さらに面白いゲームが開発される(開発できる)事を祈っています。