1月25〜27日のGlobal Game Jam 2019に参加してきました。
全世界同じテーマで48時間でゲームを作るイベントです。
久々のゲームジャム参加でしたが、今回もリーダーをさせてもらいました。
『SPACE WORKER』というゲームをリーダー兼プランナーとして作りました。
宇宙船がコインを集め母船に持って帰ったら得点になる4人対戦ゲームです。
動画はこちら。
ダウンロードはこちら。
ゲーム自体もゲームのプロジェクトファイルも公開しています。
SPACE WORKER | Global Game Jam®
ツイートのまとめはこちら。
今回はGGJ2019でのリーダーとしての自分の動きや考えについてまとめてみます。
1月25日 テーマ発表
仕事が終わってから会場に向かいました。
会場についたのは19時ごろで、ちょうどGGJ2019テーマ発表の動画が流れる直前でした。
今年のテーマは『What home means to you.(意訳:あなたにとってhomeって何ですか?)』。
The theme for this year’s Global Game Jam is ‘What home means to you.’
— GlobalGameJam (@globalgamejam) 2019年1月26日
Well done secret keepers and happy #GGJ19
シンプルで応用がかなり効くやりやすいテーマでした。
Twitterでもツイートしましたが、テーマを聞いた時にはゲームが頭の中にありました。
テーマ聞いた。
— 暇人(ゲームプログラマー) (@hima_zinn) 2019年1月25日
瞬間的に自分の頭の中ではゲームが完成した。
俺の頭の中にあるゲームを具現化させてくれないかなぁ。 #ggjosaka
こういうのはたまにある事で、以前、UE4ぷちコンの時も同じでした。
UE4ぷちコンの話はこちらにまとめてます。
UE4ぷちコン 進捗報告(4)『60 Seconds Shooting』提出完了しました - ゲームプログラマー暇人日記
テーマが発表されてからチーム分け終わるまでが約2時間は、同じチームメンバーになった人にゲームを説明するための仕様を考えてました。
最初に頭に思い浮かんだゲームの絵はコレです。
#ggj19jp #ggj19 #ggjosaka ゲームの設計資料パート1公開! pic.twitter.com/c3bSZ5skjE
— 暇人(ゲームプログラマー) (@hima_zinn) 2019年1月26日
チーム分けの結果ですが社会人が自分だけでした。
リーダー・プランナー1人(自分)、プログラマー3人、モデル1人の5人チームとなりました。
今回は同じメンバーの人に知り合いがいなかったです。
開発する部屋に移動してから自己紹介を行いました。
自己紹介ではどれくらいのゲームジャムの経験があるのかとUE4の経験歴は教えてもらいました。
これはリーダーとしてゲームジャムでゲームを完成させるために必要な情報かと思います。
ちなみに自分は8回くらいゲームジャムやっていて、たしか最初の2回以降はずっとリーダーをやっています。
次に思い付いたゲームの内容説明しました。
金曜の夜にメンバーに説明したゲームの内容です。
- 4人対戦のマルチプレイゲーム
- トップビュー
- 角に各プレイヤーのエリアがある
- 真ん中にコインが出てきて、それを獲得してエリアに戻ると得点
- コインを取れば取るほど動きが遅くなる
- 自機は弾を撃てて、弾に当たると爆発してコインを落とす(コインを奪える)
- 自機の得点は自機の上に出てるので、得点が高いやつを狙うと有利
- コインの上に何点のコインなのかを表示する
- 残り30秒とかで得点2倍になる
総得点をどこに出すかとかはこの時まだ考えてませんでした。
スマブラっぽく下に並べて出すのも1つの案にありました。
ほとんどの仕様は最後まで変更しませんでした。
最終的に完成したゲームと違うところは
- コインの枚数を自機の上に出すのではなく、自機に重ねて出すようにした
- コインの上に点数を書くのではなく、コインが散らばるように出るようにした
- 残り30秒とかで得点2倍ではなく、コインを出す量を徐々に増やすようにした
くらいです。
といっても土曜日の朝には上記の仕様変更は説明してて、そこから考えてもあまり変更は無かったかと思います。
リーダーとして参加した時点で
『ゲームは遊べる状態に完成させる』
は決めていました。
これはリーダーとして毎回決めていることです。
特に出来上がった作品は学生が就職活動に使うだろうし、未完成のままにする事は出来ない。
あと、動画でも面白さが伝わるゲームっていうのは目指していました。
いや、やってみないと分からない面白さってあるの知ってますが、そんなゲームは一般ウケしないんですよ。
わかりやすさって大事!
その後、みんなでファミレスに行って、作るゲームのキャラクターをどうするか話し合いました。
ルールを決めただけで、別にどんなキャラクターでも良いと思ってました。
上から見てわかりやすい形、弾を撃っても不自然じゃないという理由から世界観は宇宙で宇宙船が撃ち合って、母船にコインを持って帰るという事になりました。
他にもいろいろと決めた気がします。
「明日は9時に集合」という話をして帰りました。
1月25日 帰宅以降
キングダムハーツ3の発売になので、ゲームやってました。
#ggj19jp #ggj19 #ggjosaka 帰宅!ヨシッ!やるぞ! pic.twitter.com/4ZNNBGTYr9
— 暇人(ゲームプログラマー) (@hima_zinn) 2019年1月25日
と、言いつつもGGJの仕様もキチンと考えもいました。
- 総得点の表示
- 宇宙船の上に重ねて得点を出す(仕様変更)
- 宇宙船の形の原案
- 母船の原案
- タイトル画面
- ゲーム終了時の画面デザイン
- 土曜の朝の仕様説明
- α版用のシンプルモードの仕様作成
- シンプルモード用の自爆ルール
- その他いろいろ。
もっというと、土曜の朝にホワイトボードのどの部分に何を書くかまで決めてました。
もっともっというと、土曜日に誰がどの部分の処理を担当するのか、何時頃にどの仕様まで実装するのが目標かまで決めてました。
実装が遅れていたら自分が手伝って作るつもりでしたが、メインプログラマーをやってくれた学生さんが全て自分が勝手に決めていた想定時間よりも前に実装を行ってくれたので、結果的には自分が手伝うことはほぼありませんでした。
仕様で結構迷ったのは、『宇宙じゃなくて人間の方が面白かったかな?』ということです。
コインじゃなくてお金を奪い合った方が面白いゲームになるかなと。
基本、奪い合う対戦ゲームとかどう転んでも面白いんですよね。
この案は土曜の朝にちょっとだけ触れるのですが、宇宙船でそのまま行くことに決めました。
ここでキャラクター性を曲げるとモデルさんが混乱するでしょうし。
あとはメンバーにも説明してないですが、追加仕様考えてました。
- 1位のプレイヤーが大きくなる
これは逆転が起きやすいようにする仕組みです。
弾に当たりやすくなる。
こちらもメンバーには説明していないですが、アイテムの仕様もいくつか考えていました。
- 自機がボムを使って一定範囲内のほかプレイヤーを倒せる
- 一定時間動作が早くなる
などなど5種類くらいは考えたかと思います。
余裕があればここまで入れようかと思ってましたが、入れるとルールがややっこしくなるので、やめてよかったと思ってます。
こんな感じでただ考えて頭の中でボツにしたアイデアはいっぱいあります。
1時ごろまでゲームして寝ますってツイートしてますが、実は3時くらいまで仕様考えてたと思います。
ただ、ゲームしてゆっくり寝てるわけじゃないですよ。
1月26日 ゲーム開発
土曜の朝は9時集合と言いながら、15分くらい早めに来ました。
着いてビックリしたのはメインプログラマーが会場に泊まってました。
前日に帰っていいと言っておいたのですが、家が遠いとのこと。
先に言ってよw。
前日の夜に考えていた、ホワイトボードに仕様の書き出しをしました。
書き出したホワイトボードはすべて公開してます。
#ggj19jp #ggj19 #ggjosaka 土曜日の朝に書き上げたホワイトボード仕様書公開! pic.twitter.com/p4rS2SLwAW
— 暇人(ゲームプログラマー) (@hima_zinn) 2019年1月27日
9時半くらいに仕様を改めて説明しました。
帰宅後に考えた仕様も含めて説明しています。
この時、19時から始まるα版の発表に合わせた仕様(通称:シンプルバージョン)も説明しています。
実はモデルさんから「昨日の夜に宇宙船の案を考えてきました」と報告を受けたのですが、考えてくれた案をボツにしました。
考えてくるとは思ってなかったのでナイスガッツです!
できればそのまま入れたかったのですが、宇宙船の上にポイントを表示する機能が満たせないデザインだったので。。。
金曜日の夜の段階ではポイントを宇宙船の上に出す予定でしたが、土曜日の朝の段階では重ねて出したほうがゲーム的に良いと考えていました。
その場でこんな感じで、あとのデザインは任せます!って指示しました。
土曜日は
- メンバーに指示
- 仕様から機能の抜き出し
- メンバーが作った機能チェック
- 調整
- 相談
- α版発表資料作成
などなどをやってました。
気を使っていたのは『メンバーが止まらないこと』。
ゲームジャムは時間が少ないので、メンバーの作業が止まってしまうのがマズイです。
そのため、「30分止まったら相談して!わからないことがあったら相談して!」って言って作業を進めてました。
そうは言っても、初めて会った人ですし、日本人はだいたい話しかけないことを色んなゲームジャムに行って知っています。
ということで、30分以上発言が無かったり、詰まってそうな人がいたら、
「今何してる?」「困ったことない?」とか話しかけていました。
と言いつつも、実装やってなかったので結構時間的には余裕がありました。
自分が何も実装しないゲームジャムは初めてだったので、こんな時間ができるのかと驚いていました。
暇すぎて途中alweiさんとスマブラSPしてボロ負けしてました。
#ggj19jp #ggj19 #ggjosaka @aizen76 さんに5連敗したw。 https://t.co/ylui0KQgmf
— 暇人(ゲームプログラマー) (@hima_zinn) 2019年1月26日
19時のα版(シンプルバージョン)の時点で遊べるゲームができていたので、かなり安心していました。
α版の発表が終わってからは最終版に向けての作業を説明しました。
ここで重要だったのが優先度付けだと思います。
何があれば遊べるゲームになるのか。
どれが重要なのかを決めてしまうことで、プログラマーが迷うことなく作業を進められると思います。
自分の本職がプログラマーなので、自分がこんな感じで指示がほしいということを優先的に考えて他メンバーに指示しました。
別件ですが、20時くらいに主催のalweiさんから
「暇やったらボードゲーム作ったら?」
って言われて、マジで作ることにしました。
というのも、参加時に
『ボードゲーム作りたいです。』
って書いてたんですよね。
土曜日は22時過ぎくらいに帰りました。
GGJに参加して土曜日に帰るのは初めてでした。
1月26日 夜編
基本的にはボードゲームの仕様考えてました。
作ったボードゲームについては解説する気はないので、知りたい方は一人で作ったボードゲームの解説動画で確認してください。
#ggj19 #ggj19jp #ggjosaka 定時におうちに帰りたい ルール説明 https://t.co/ndnT0P4jQg
— 暇人(ゲームプログラマー) (@hima_zinn) 2019年1月28日
GGJ2019で1人で1日で作ったボードゲーム『定時におうちに帰りたい』のルール説明動画です。
運の要素が大きいけど、実力でも勝てることがあるゲームを目指してゲームデザインしました。
メインで作っていたゲームについても考えていました。
土曜日の朝に仕様を出して、そのチェックや自機の速さ、爆発時間の調整まで自分でやってしまった事をちょっと反省してました。
進捗を最高に出す!という意味では正しい行動だったかと思いますが、学生にやらせた方が経験になったかなと思ったりしてました。
ただ、ゲームジャムの経験が浅い人に任せすぎてゲームが完成しないというのは嫌でした。
α版までは完成しているので、あとの調整は学生さんに任せようと思って日曜日の指示の方向性を決めました。
結果、コインの排出量とかは決めてもらいました。
ただ、暫定で自分で決めてしまったことが、そのまま使われてしまっているのが多いかと思います。
何枚で自機が遅くなるかは、多分自分が暫定で言った値が使われちゃってますね。
この日も3時くらいまでいろいろと考えてました。
1月26日 ゲーム開発
朝到着してから、すぐに夜の間に作業進めてもらってた実装の確認をしました。
その時点で『ベータ版の発表をどこまで行うか』というのを決めました。
日曜日は
などなどをやってました。
やはりゲームジャム最終日はバタバタしますね。
ボードゲームの作業が余計でしたw。
土曜日くらい余裕があるかなと思っていたのですが、正直余裕は無かったです。
ほぼ全てのバグが修正されたのは15時前くらいでした。
時間的にはギリギリでしたが、間に合ってたという意味ではとても順調だったと思います。
最終的に出来上がったゲームが自分の最初の想定と違うことはよくあると思います。
いくつか想定と違うところはあったのですが、すべていい方向に転びました。
- 母船絵は一枚絵のつもりだったが、回転しているようになった。
→絵として分かりやすくなった。 - 8秒で自機が爆発するシステムはシンプルバージョン用で最終的にはなくなっている想定だった。
→8秒で絶対帰らなければいけなくなり、コインを取りすぎると帰れない事がある良い難易度になった。 - 宇宙船が爆発したときにコインは周りに生成されるだけの想定だった。
→中心から破裂するように生成されるようになっていた。
宇宙船が隣接している状態で宇宙船を倒したときに分散する前にすべてのコインを奪えるようになっていた。 - 宇宙船と宇宙船がぶつかるようになっていた。
→弾を撃てない状態でも他のプレイヤーの足止めが可能になった。
などなどです。
その後は成果発表会やって、みんなで作ったゲームやってという流れです。
同じ会場で作られた他のチームのゲームだと、『New Life』が面白かったです。
New Life | Global Game Jam®
アーケードコントローラーが2つ必要なのですが、操作のし辛さを逆手に取ったゲームデザインは面白いと思います。
あと『Rabbit, Go Home! Escape From Hunter!』も面白かったです。
Rabbit, Go Home! Escape From Hunter! | Global Game Jam®
もうね、絵が卑怯w。
あんなん笑うってw。
他にも面白いゲームはいろいろありましたが全部紹介はできないので、こちらからやってみてください。
全作品が公開されています。
【GlobalGameJam2019 in Osaka】バンタンゲームアカデミー大阪会場 | Global Game Jam®
1月26日 飲み会!
GGJ終わってからは23時頃まで飲み会!
まぁ、飲みますよね。
いつものメンバー感がかなり強い飲み会でした。
ゲームジャムのことやゲーム業界のことやゲームのことなどいろいろと喋ってました。
帰宅後、夜はアドレナリンが出まくっててなかなか眠れなかったです。
GGJの感想
久々にGGJに参加しましたが、とても楽しかったです。
リーダー兼プランナーとして動きましたが、どういう指示を出せばいいかとか、メンバーが動きやすいようにするにはどうすればいいかとか、普段とは少し違った視点で動くのは面白いなと思いました。
仕事ではプログラマーですが、プランナーってこんな事考えながら進めるのかとか新しい発見がありました。
仕事ではこんな経験できないですかね。
同じメンバーが楽しめていたり、満足できていれば嬉しいです。
また参加したいなー。